微分方程式の応用
コンデンサの過渡現象とラプラス変換
起電力E、抵抗R、自己インダクタンスL、静電容量Cの
右の回路の過渡現象を解いてみましょう。
キルヒホッフの法則から回路方程式は以下の
ようになります。
コンデンサにたまっている電荷量をQ(t)とします。
電流と電荷の関係から
R=50[Ω]
従って抵抗での電圧降下は以下のようになります。
L=0.65[H]
C=22[μF]
E=5[V]
自己インダクタンスでの電圧降下は以下のようになります。
従って以下の方程式が得られます。
ここでコンデンサでの時刻t=0での容量は0とします。
初期条件
Q'(0)=0
Q(0)=0
Laplace変換技法を使ってこの微分方程式を解いてみましょう。
関数定義
従って
Rs
{Q
(t
)}+Ls
{Q
(t
)}+
{Q
(t
)}=
方法
これをカルキングの方程式(一元多項式の記号解)で解くと以下になる。
従って
この両辺に逆Laplace変換すると
だから
Q
(t
)=
ここで記号式のままでは逆Laplace変換は求まりません。ここでは以下の値で
解いてみます。
R=50[Ω]
L=0.65[H]
C=22[μF]
E=5[V]
しかし単位が付いたままでは解けません。そのため標準単位で求め無単位化する。
Cの部分は以下のようにしてF単位にできます。
これをいったん代入します。
C=22[μF]
このようにして単位を指定して計算します。
C=[F]
C=0.000022[F]
このような準備して下記の4つの単位部を除いた式を「代数代入《する。
代入定義(数値モード)ではなく代数代入するのは、後で代数計算で参照するためです。
R=50
L=0.65
C=0.000022
E=5
この値を使って
=
0.00011 |
0.0000143s
+0.0011s
+s |
代数計算
以下の記号処理(代数計算、代数代入)での計算精度は6桁にしています。
逆Laplace変換を求めるに先だって必ず部分分数分解をする必要があります。
プロパティ
代数計算
精度6桁
故に得られた解は以下の通りになる。
Q(t)を関数定義する。
Q
(t
)=-0.00011
e
cos
(261.631t
)-0.0000161707
e
sin
(261.631t
)+0.00011
初期値の確認
代入
t=0
Q(0)=0
計算
Q'(0)=0 の確認
Qの一階微分の関数を求める
=0.0000000195883
e
cos
(261.631t
)+0.02940136099512
e
sin
(261.631t
)
この関数を使ってt=0での値を求める。
0.0000000195883
e
cos
(261.631t
)+0.02940136099512
e
sin
(261.631t
)=0.0000000195883
0に近い
微分方程式の検算
R
+L
+
-E=0.000000350741
e
cos
(261.631t
)-0.00000230055
e
sin
(261.631t
)
0に近い
有効桁数6桁で解いているので少し誤差が出ます。